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死のデザインとお墓

 死のデザインといっても自殺のすすめではありません。自分が人生の最後の時を迎える時のために、どんな準備をしておく必要があるかという話です。人は結婚にはあれほどエネルギーをかけて結婚式や新婚旅行・新居の準備などを前もって入念にプランニングするのに、人生の終わりについてはそれほど熱心に準備をしているようには思えません。


準備すべきことはたくさんありますが、その中でお墓をどうするかは大切な問題の一つです。横浜の外人墓地に行くと外国人のお墓を見ることができます。それらは夫婦で一つのお墓になっており、日本のように先祖代々といったスタイルではありません。イタリアのお墓に行くと、大きな墓地では大理石で作った彫刻のようなお墓がたくさんあります。


アメリカにはお墓のデザイン会社があり、生前読書が好きだった人は本の形をしたお墓、夫婦でずっと愛し合ったことを大切にしたい場合はハートの形のお墓、といったように様々なデザインのものがあります。他方ロンドンには壁墓地といって、コンクリートの壁の一角15cm四方程度の大きさの小さいお墓がたくさん壁に整理されているものもあります。京都に行くと女性だけのお墓があるそうです。
ところで最近は散骨というやり方があります。つまり火葬して残った灰や骨を海などにばらまく、という形で自然に帰してあげるという葬儀の方法です。このやり方だと、お墓はいらないことになります。


昔学生の頃、哲学の教授がゼミの雑談で「ところで僕は、死んだら当然仏式で葬儀をし、先祖代々続くお墓に入る」と言っていた事が記憶に残っています。西欧哲学専門の教授でとりたてて仏教の信仰が厚いわけでもないのにどうしてこんな古風なことを言うのだろうかと、ふと疑問に思いました。


死はいつやってくるかわかりませんが、必ずやってきます。自分らしい有終の美とは何か、そのためにお墓をどうするかということは、信仰の問題でもありますが、機会のある時に真剣に考えておくべきことではないでしょうか。