失敗しない住まい選びのポイント

プロから学ぶ、マイホーム購入時の注意点。

インスペクション(建物調査)現場実例にみる建物のチェックポイント11

2007.7.26

前回のコラムに続いて、建物周辺のチェックポイントです。

今回は、「土地(敷地)の高さに注目しよう」をテーマにお伝えしましょう。 これは、プロでも意外と見逃しやすいポイント。よく注意してください。物件を見に行ったら必ず、「土地(敷地)の高低」に意識を向けてみましょう。

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まず、道路と土地(敷地)の高さの関係はどうなっているでしょうか? 万一、道路のほうが高い場合には注意が必要です。水は高いところから低いところへ流れていきます。道路の端にたとえ側溝があったとしても、大雨が降った場合などには、道路から土地(敷地)に雨水が流れこんできます。土地(敷地)は、道路よりも少し高くなっているのが基本です。

また、周辺の土地(敷地)との関係はどうでしょうか? もし、周辺の土地よりも相対的に低い場合にはやはり、雨水が周辺の土地(敷地)からこちらの土地(敷地)に向かって流れ込んでくる可能性があります。境界塀やブロックなどで、雨水が流れ込んでこないようになっているか、よく確認してください。

雨水が流れ込んでくる場合、土地(敷地)に盛土(もりつち)をして雨水の流入を防ぐこともできます。ただ、その分の費用がかかることを踏まえておきましょう。また、高低差が数十センチもあったりすると、盛土をしたら建物の基礎が隠れてしまうなどの弊害が出てしまうため、実質的に工事ができないケースも往々にしてあります。

そもそも、常に土地(敷地)が湿りがちな場合、土地の気もあまりよくないとされています。長期的には、建物に弊害が出る可能性も否定できません。湿気が建物に与える影響は、カビや腐り、シロアリなど、ジワジワゆっくりと進行しながら建物に決定的なダメージを与える原因となってしまうのです。土地(敷地)は基本的に、水はけの良いほうが好ましいですね。

逆に、周辺の敷地よりも高い場合にはどうでしょうか。 こちら側の雨水が、周辺の土地(敷地)に流れ込む可能性がないかを確認しましょう。周辺の土地に雨水が流れていくこと自体、あまりよいことではありません。状況によっては長い期間中に、こちら側の土が削られていってしまうこともあります。

土地(敷地)の高さが極端に高い場合、例えば玄関まで階段を上らなければならないケースもあります。このケースでは、将来を見すえてあらかじめ踏まえておくべきことが。今はまったく気にならないとしても、もし将来、足腰が弱くなったり、車椅子などで生活することになった場合、外構工事などを行なえばそれに対応できるのかどうか、ということです。 本格的な高齢化社会の入り口に立った現在の日本では、前述のような状況で生活に支障が出ている方の事例も多く報告されています。

GUM13_PH05002.jpgマイホーム購入は一生の問題。長く快適に暮らしていくために、数十年後の可能性にも思いを馳せることは、後悔しないマイホーム選びの要諦です。それは、将来売る、貸すという場合にも、同じことが言えます。 土地(敷地)まで含めたマイホーム全体がバリアフリーでない建物は、高齢者の割合が圧倒的に多くなる日本では、資産価値や賃料に対して決して有利に働くことはないのです。



長嶋 修さん

長嶋 修(ながしま おさむ)

・株式会社さくら事務所 取締役会長
・さくら不動産アカデミー校長
・経済産業省 住宅産業関連ニュービジネス支援策検討委員会委員

不動産デベロッパー支店長として、幅広く不動産売買業務全般に携わる中で、業界の不透明な慣行、販売手法や哲学に疑問を感じるように。
一般ユーザーにとって、“本当に安心できる不動産取引・不動産業界が真にあるべき姿”を模索するうち、“購入者のみの立場に立つ不動産のプロフェッショナル”が必要であると確信、起業。1999年、不動産調査 さくら事務所(現 株式会社さくら事務所)設立。
以降、様々な活動を通じて“購入者のみの立場に立つ、完全独立系不動産コンサルタント”としての地位を築く。
マイホーム購入・不動産投資の第一人者として、著書、マスコミ掲載・出演、セミナー・講演等実績多数。
・国土交通大臣認定 不動産コンサルティング技能登録 (1)23626号 ・宅地建物取引主任者

不動産の達人 株式会社さくら事務所
http://www.sakurajimusyo.com/
すまひとプロジェクト(NPO法人設立申請予定)主宰。
『すまひとらいぶらり』
http://www.sumahito.com/

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