失敗しない住まい選びのポイント

プロから学ぶ、マイホーム購入時の注意点。

インスペクション(建物調査)現場実例にみる建物のチェックポイント9

2007.5.30

photo.jpg前回のコラムに続いて、建物周辺のチェックポイントをお伝えしましょう。 今回のテーマは「上下水道」。これを覚えておけば、あなたも今日から不動産調査員?!


上水道の口径・材質は?

photo_1.jpg土地(敷地)の中に入ったら、量水器(メーターボックス)を探してみましょう。青いフタを開けると、画像のような水道の配管が見えます。水道の検針(水道使用量を確認する)は、いつもこのメーターを見て行なっているのです。 ここで確認するのは、メーターのフタに書かれている配管の口径。何ミリと書かれていますか?

前面の道路から引き込まれた水道管の口径は、一般的に13ミリ、20ミリ、25ミリのいずれか。4人家族が4LDK程度の住宅でストレスなく暮らすには、最低でも20ミリの口径は必要です。2世帯住宅などの場合には、25ミリあったほうがよいでしょう。

古い住宅地などによくある13ミリのものは、複数個所で同時に水道を使うと水の出が細くなってしまいます。また、現在ではステンレス管が主流となっている水道管は、古いものだとその材質が鉛や鉄で出来ていたりします。その場合、鉛が溶け出していたり、赤サビなどが発生しているなどの可能性もありますから、売主に水道の状態を聞いてみたり、水道局や市区町村役場の水道課などで確認してみましょう。もし口径のチェックができなかった場合にも、そこで確認できます。

もしこの引き込み管を口径の大きいものに取り替える場合、土地(敷地)はもちろん、前面道路も掘り返す必要があり、最低でも50万円以上かかります。道路の引き込み管と土地(敷地)との距離が長ければ、100万円~200万円かかることも。工事は、市区町村が指定する水道工事業者を紹介してもらいましょう。

前面道路が私道の場合は、道路に埋まっている水道管も私設管(土地の所有者が敷いた管)という可能性があり、所有者の承諾や、負担金の発生などもあり得ます。そもそも私設管は管の口径が小ぶりなものも多く、私設管ごと取り替えなければならないケースもありますから、注意が必要です。

井戸があるかも?

土地(敷地)内には、井戸があることも。この場合は、売主や仲介業者に飲用に適するのかを確認しておきたいですね。注意したいのは、かつては井戸があったものを埋めてしまったケース。このケースは、都会でも意外に多くあります。購入後に井戸が埋められているのを知るのは心理的に嫌なものでしょう、また、造園や建て替えを検討する際、地盤の状態や改良費用などの問題が起こるケースも。これを現地で確認することは難しいですから、売主や仲介業者に確認してみましょう。

下水道が使えるか?

イメージまずはその地域が、下水道の使用地域であるかどうかを確認しましょう。これは、前面道路を見れば一目瞭然。前面道路に、写真のような『マンホール』があるか探してみてください。見つかればそこは、下水道が使用できる地域です。

ところが、下水道使用が可能な地域でも下水道を使用せず、浄化槽を使用している住宅もたくさんあります。下水道整備前に浄化槽を使用していて、工事費がかかるといった理由から下水道を使用せず、そのまま浄化槽を使用しているケースです。

これもやはり、売主や仲介業者に確認しておく必要があります。下水道・浄化槽は、どちらがいい・悪いということはありません。ただ浄化槽を使用している場合、年一回以上の点検・メンテナンスが必要となり、年間5,000円から10,000円程度の費用がかかること、また下水道に切り替える際に工事費用がかかることも知っておきましょう。

下水道を使用している住宅で注意したいのは、『以前の浄化槽が埋まっているかもしれない』ということ。浄化槽から下水道に切り替える際に、浄化槽の撤去費用がかかるからと、そのまま浄化槽を埋めてしまうケースが非常に多いのです。当面は問題ありませんが、例えば家を建て替えたり、増築をするときなど、その下に浄化槽が埋まっていれば費用をかけて撤去しなければなりません。

建物周辺のチェックポイントは、次回も続きます。


長嶋 修さん

長嶋 修(ながしま おさむ)

・株式会社さくら事務所 取締役会長
・さくら不動産アカデミー校長
・経済産業省 住宅産業関連ニュービジネス支援策検討委員会委員

不動産デベロッパー支店長として、幅広く不動産売買業務全般に携わる中で、業界の不透明な慣行、販売手法や哲学に疑問を感じるように。
一般ユーザーにとって、“本当に安心できる不動産取引・不動産業界が真にあるべき姿”を模索するうち、“購入者のみの立場に立つ不動産のプロフェッショナル”が必要であると確信、起業。1999年、不動産調査 さくら事務所(現 株式会社さくら事務所)設立。
以降、様々な活動を通じて“購入者のみの立場に立つ、完全独立系不動産コンサルタント”としての地位を築く。
マイホーム購入・不動産投資の第一人者として、著書、マスコミ掲載・出演、セミナー・講演等実績多数。
・国土交通大臣認定 不動産コンサルティング技能登録 (1)23626号 ・宅地建物取引主任者

不動産の達人 株式会社さくら事務所
http://www.sakurajimusyo.com/
すまひとプロジェクト(NPO法人設立申請予定)主宰。
『すまひとらいぶらり』
http://www.sumahito.com/

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