失敗しない住まい選びのポイント

プロから学ぶ、マイホーム購入時の注意点。

インスペクション(建物調査)現場実例にみる建物のチェックポイント8

2007.4.11

前回に続いて、建物周辺のチェックポイントをお話しましょう。今回は「境界」がテーマです。
実は、不動産のトラブルナンバーワンはこの境界の問題。入居後にトラブルとならないよう、あらかじめしっかり確認しておきたいポイントです。

1.境界の位置を確認

イメージ現地を訪れたら、まずは土地(敷地)の境界を確認してみましょう。 一般的には、コンクリート杭やプレート杭などが境界に埋め込まれています。土地に盛り土などがされている場合には、何十センチも掘らないと見つからないケース、境界杭がなくなってしまっているケースなども。

いずれにしても、もし境界が不明確な場合、周辺土地所有者全員の立会いのもとで境界を確定する必要があります。

本来、契約時点ですべての境界が明らかになっていることがベスト。もし不明確だった場合には契約が終わったあと、引渡しまでに売主側で境界を画定(かくてい)しておくことを契約の条件・引渡しの条件としておきましょう。

2. ブロック・フェンスの位置

土地(敷地)の境にある塀やフェンスが、どの位置にあるか確認しましょう。


(1)境界の中心にある場合

塀やフェンスの所有が隣地所有者との共有物である可能性が高く、修繕や作り直しは双方の折半など、話し合いで行われるのが一般的。

(2)相手の敷地側にある場合

塀やフェンスは、相手側の所有物でしょう。自分の所有ではないのですから当然、フェンスにガーデニングのプランターなどをかけたり、靴を干したりもできません。塀やフェンスが必要なら自分の敷地の内側に作らなければならないため、2つの塀が隣り合わせで建つことになりますね。

(3)こちらの敷地側にある場合

塀やフェンスはこちら側の所有物である可能性が高く、もしそうなら当然、自由に使うことができます。ただ一方で、修繕ややり直しも自分の責任です。

イメージいずれの場合でも、現状と実質が異なるケースがあります。土地(敷地)の境界が具体的にどこなのか、できれば契約の前に、最低でも引渡しまでには、売主にしっかりと示してもらいましょう。

塀やフェンスの幅は十数センチとわずかな幅に思えますが、その位置や状況によっては希望の建物が建てられなかったり、建物を建てたあとに建物の周囲を通りづらくなったりと、重要なポイントなのです。


境界3. 周囲の建物や樹木などの越境物

境界を確認するときには、足元だけではなく、上空も見上げてください。周囲の土地所有者の建物(特に屋根や雨どい)や樹木などが、境界を越えていませんか?これを「越境」といい、越境の状況によっては希望の建物が建てられなかったりすることも。

あらかじめこの状況を知っていれば問題ありませんが、建物が越境している場合にはその所有者と売主とで、「“次回建て替えの際には越境しない旨”の覚書」を交わしておいてもらい、それを受け取ることを契約の条件としておくとよいでしょう。

ちなみに民法では、越境している樹木の「枝葉」なら勝手に切ってもいいことになっています。しかし、樹木の「根」は勝手に切ってはいけません。これは、枝葉の越境なら相手側が容易に認識することができても、根の越境は認識しづらいだろうという配慮から。

いずれにしても周囲の所有者とは、良好な関係でいたいもの。気になる点は契約前に解消しておきましょう。

次回も引き続き、建物周辺のチェックポイントをお知らせします。



長嶋 修さん

長嶋 修(ながしま おさむ)

・株式会社さくら事務所 取締役会長
・さくら不動産アカデミー校長
・経済産業省 住宅産業関連ニュービジネス支援策検討委員会委員

不動産デベロッパー支店長として、幅広く不動産売買業務全般に携わる中で、業界の不透明な慣行、販売手法や哲学に疑問を感じるように。
一般ユーザーにとって、“本当に安心できる不動産取引・不動産業界が真にあるべき姿”を模索するうち、“購入者のみの立場に立つ不動産のプロフェッショナル”が必要であると確信、起業。1999年、不動産調査 さくら事務所(現 株式会社さくら事務所)設立。
以降、様々な活動を通じて“購入者のみの立場に立つ、完全独立系不動産コンサルタント”としての地位を築く。
マイホーム購入・不動産投資の第一人者として、著書、マスコミ掲載・出演、セミナー・講演等実績多数。
・国土交通大臣認定 不動産コンサルティング技能登録 (1)23626号 ・宅地建物取引主任者

不動産の達人 株式会社さくら事務所
http://www.sakurajimusyo.com/ 不動産情報図書館 『不動産市場最前線』 http://www.ikizama-kaigi.com/blog/

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