『ACミラン流 サッカーコーチング』ファビオ ニコレ
「日本とイタリアの子どもたちにどのような違いを感じますか?」
日本で数年間行ったACミランジュニアキャンプの経験から、日本の子どもたちは素晴らしく行儀がいいと感じました。これは日本の家庭教育のおかげではないでしょうか。
この行儀の良さ、「相手を尊敬する」という意識は、イタリアの子どもたちにはなかなか見られず、またとても残念なことですが、最近のイタリアの若者からも失われている意識です。
しかし、この「相手を尊敬する」ということが、サッカーのような競争の激しいスポーツでのパフォーマンスに少なからず影響を与えているように感じます。それは日本の子どもたちが、精神的な面で競争をしないように感じるところでしょうか。ゴールを決めたとき、相手に勝利したとき、どのようなシーンであっても、イタリアの子どもたちのように大騒ぎして盛り上がるような姿は見かけません。
またもうひとつ感じる大きな違いは、同じ練習であってもイタリアの子どもたちを指導するときよりも、日本の子どもたちを指導するときの方が、指導しやすいことがあります。日本の子どもたちは、苦労することを怖がりません。イタリアの子どもたちは、あまり苦労をせずに試合に勝ちたいと、いつも思っていますから。
そのような違いがあるからといって、ACミランジュニアキャンプでの練習内容を変えるということはしません。それは、ジュニアキャンプでコーチとして訪問する国々にイタリアのスポーツ文化を伝えることが私の目標でもあるからです。それに、私たちは子どもたちに身体と思考のスピード、競争心、賢さを求めています。このことはイタリアでも日本でも変わりません。
「さっそく実践!ACミラン流サッカートレーニングメニュー」
サッカーにおいて大切な技術はボールコントロールです。そのためにイタリアでも行っているメニューを紹介します。
ひとつめは2人1組で行うメニューで、2人が縦に並び、後ろの人がボールを持ちます。前の人は、ボールを持つひとがついてこれるようなスピードで、ジグザグに、緩急をつけて走ります。後ろの人は、ボールをコントロールしながら、前の人の動きにあわせて、追いかけます。しっかりと前の人についていけるでしょうか。
また、チームで行うメニューとして、グループを半々の人数に分けて、ボールを足でコントロールするチームと、手に持つチームに分かれます。あらかじめ区切られた場所のなかで、ボールを手に持っているチームは、その手に持っているボールで、ボールを足でコントロールしているチームの人のボールにタッチします(ボールは投げてはいけません)。もちろん、ボールを足でコントロールしているチームは、タッチされないように、動き回ります。人数に応じて、場所の広さは調整するようにしてください。うまく、ボールをコントロールして逃げ回ることができるでしょうか?
「世界で活躍する選手を目指すには・・・?」
それには2つの要素があると思っています。ひとつは資質。これは、ひとつの分野で成功するための能力に影響を及ぼします。もうひとつは自分の努力。細かくいえば、何でも学びたい意志、好奇心、謙虚さ、反省することが大切になります。サッカーがうまい選手はさまざまなプレーができますが、本当の一流選手は自分が持っている技術で満足せず、新しいことを学び続けられます。例えば、ほかの選手やチームのプレーをきちんと見て、相手のいいところを見つけては、どうしたら自分のプレーに生かせるかをいつも考えるということです。
サッカー選手で成功するためには、このふたつのことが必要だと思っています。つまり、自分の考えを持って、自分の判断を大事にして、反省しながら行動すること。このように意識して行動することで、いい選手に成長することはもちろん、強くて素晴らしい人間に成長していくのではないかと思っています。
世界で8万人以上の参加者を集めるこのジュニアキャンプは、ACミランジュニアチームのコーチたちの指導の下で、サッカーのスキルアップ、楽しさの体感することはもちろん、コーチや参加者との交流によって、国際性や社会性を身につける貴重な機会として、世界中で評価されています。 この夏も、日本でのACミラン ジュニアキャンプの開催が決定しました。
| 日時 | 会場 | |
|---|---|---|
| ジュニアキャンプ (4泊5日宿泊型) | 8月6日(月)~10日(金) | 鹿島ハイツ(茨城県鹿嶋市) |
| ワンデイキャンプ (1日集中型) | 8月4日(土)・5日(日)・11日(土) | 東京・埼玉・神奈川 各会場 |
ファビオ ニコレ(Fabio Nicolè)
ACミラン トレーナーアカデミー 所属
ACミラン ジュニアキャンプのコーチとして日本をはじめ、アジア・ヨーロッパなど世界各国のジュニアに対して、ACミランメソッドによるコーチングを行っている。日本には、2003年から毎年来日している。また一児の父でもある。
スポーツをキャスティングするCaSpo http://www.caspo.jp/
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