プロが語る! スポーツの魅力

毎月様々なプロがスポーツ上達法、楽しみ方、魅力について語ります。

『ラリーというモータースポーツの楽しみ方』篠塚建次郎

2007.2.21

「ラリードライバーが勧めるラリーの見方」

ラリーはテレビでみるのが一番楽しいものです。いわゆるF1などのサーキットレースと較べて、ラリーは滑りやすい路面や起伏の激しい道を走るため、クルマがジャンプしたり、転倒したりと、クルマが派手に動きます。これをテレビを通して間近で見られることが、楽しみのポイントです。

イメージさて、みなさんがラリーと聞いて一番に思い浮かべるものは「パリダカ」ではないでしょうか。実はラリーには、日数をかけて長距離を走るパリダカのタイプ以外にも、世界ラリー選手権(WRC)という短距離を走るタイプのラリーがあります。この2つのタイプのラリーは、それぞれ主には走る距離が違うのですが、違いはそれだけではありません。WRCは氷上や舗装道・砂利道などを走り、パリダカでは、岩場や砂漠など道なき道を走ります。まさにラリーというモータースポーツは、地球上のありとあらゆるところを走るものなのです。


私はちょうど先月(2007年1月)にダカールラリーに参戦してきました。私の人生で通算21回目の参戦でした。昨年までは、競技としてトップを狙う気持ちで参戦していたのですが、今年からは、ラリーというスポーツを楽しむべく走ってきました。そして5年ぶりに完走を果たすことができました。完走できたといっても、トラブルは絶えず、スタート初日から駆動系のトラブルに見舞われてしまいました。常に修理をしながら走っているのですが、ゴールをするまでに、合計5回もシャフトが折れるトラブルに見舞われた際には、4駆動で走ることができず2駆動で走らざるをえなかったので、アフリカの悪路をしっかりと走れるか不安でした。また、どうしてもペースを落としてゆっくり走らざるをえなかったため、完走できたときには、本当にホッとしました。


「ラリーが持つ醍醐味とは?」

激しいクルマの動きが見所のひとつであるラリーですが、その醍醐味・魅力はそれだけにとどまりません。例えば、サーキットレースはわかっているコースをいかに速く走るか、限界ギリギリのスピードを追求するか、というところが醍醐味です。対してラリーはスタートからゴールまで、走ってみないとわからない、すなわちどのドライバーもぶっつけ本番で走っているというところが醍醐味なのです。

イメージ例えば、砂漠を走っていて目の前に砂丘が見えるとします。すると、その砂丘をよけて走るべきか、そのまま乗り越えて正面から向かうのかと考えます。同時に、砂丘の先はどうなっているのか、クルマが勢いよくジャンプしてしまうか、それとも失速してボンネットから砂に刺さってしまうかと考えます。その瞬間、瞬間の判断こそが、まさに重要となるのです。だからこそドライバーとしては、このような状況をうまく乗り越えられたときには、最高に気持ちいい瞬間を感じることになります。


ぜひテレビの前で、激しいクルマの動き、ドライバーのぶっつけ本番の選択に注視して、ラリーをみてみてください。きっと、独特の面白さを堪能してもらえるのではないでしょうか。

篠塚建次郎(しのづか けんじろう)

篠塚建次郎(しのづか けんじろう)

1967年、大学在学中にラリーデビューし、1970年には三菱のファクトリードライバーとして参戦。1971、72年と全日本ラリー選手権で2年連続シリーズチャンピオンを獲得するなど国内での実績を残す。1975年には海外ラリーデビューを果たし、翌年にはサファリラリー(WRC)日本人初の6位入賞を果たした。 1986年以降、パリ・ダカール・ラリーや世界ラリー選手権(WRC)などに参戦し、1991年・1992年とアイボリーコーストラリー(WRC)において日本人初の総合優勝、さらに1997年パリ(から)ダカールラリーにおいて、日本人初の総合優勝を成し遂げる。 2006年のダカール・ラリーを最後にトップを競う競争の世界ではなく、生涯現役ラリードライバーとして走れる限り、走り続ける道を選択。2007年のダカール・ラリーでは5年ぶりに完走。今年も2008年の挑戦に向けて、精力的に活動を行っている。

スポーツをキャスティングするCaSpo http://www.caspo.jp/

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