シングルマザーと教育費
平成10年(1998年)に95万4900世帯だった母子家庭世帯は平成15年(2003年)に122万5400世帯と28・3%も増加しています。その後の調査結果は来年になるのですが、おそらく増加していると思います。
母子家庭の収入は233万4000円(児童扶養手当などを含む)と全世帯家庭の580万円の約4割程度となっています。全世帯家庭には、母子世帯や、高齢世帯も含まれているので実際のご夫婦二人と子供世帯の収入とはもっと開きが大きくなります。
また世帯員1人あたりの所得が全世帯で203万円なのに対して、母子世帯では83万円にしかなりません。この数字からみると、母親と子どもと二人がこの233万円で生活をしているということになります。
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/boshi/07/dl/02.pdf
平成18年母子家庭の母の就業支援施策の実施状況
自治体から、母子家庭のお母さん向けのライフプランセミナーや、教育費についてのセミナーを依頼されることがあります。
そこに集ってくるお母さんたちは、みさなんとってもまじめで、一生懸命で、子どもたちの将来を思い何とか教育費を捻出したい、しかし、この収入ではどうしたら良いのだろうと両肩に重荷をいっぱいのせてセミナーにいらっしゃいます。
子ども1人にかかる教育費は、全てが公立であっても1,000万円を超えます。養育費を足せば3,000万円にもなります。それだけの負担をこの収入で賄うことはとっても厳しいです。
そこで、お話をするのは、以前このコラムにも書きましたが、奨学金や、教育資金の貸付を利用した教育費の準備です。
以前のコラム奨学金は誰でも利用できます。第一種と第二種があって第一種であれば無利子で借りられますが、第二種の場合は有利子です。
もちろん公的教育ローンも他のローンに比べれば金利は低いのですが、それでも無利子ではありません。
そこで母子家庭で教育費を無利子で借りられる母子福祉貸付金制度について説明します。
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/boshi/07/dl/09.pdf
母子福祉貸付金
| 貸付対象 | 貸付限度額<単位 円> | その他 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 高等学校、大学、高等専門学校又は専修学校に就学させるための授業料、書籍代、交通費 | 高校、専門学校 (高等過程) |
高校、専門学校 (高等過程) |
専修学校 (一般過程) |
貸付を受ける期間 |
|
| 自宅 | (30,000) | (54,000) |
(29,000) |
||
| 自宅外 | (35,000) | (64,000) |
|||
母子福祉貸付金は就学費用だけではなく、母親の事業開始資金や、生活資金など合計13種類あります。利率は無利子のものと、3%の場合と2種類あります。しかし、注意をしなければいけないのは保証人が必要なことです。ここさえクリアができればこの制度を利用して子どもの教育費を賄うことができます。
親であれば、母子家庭であろうと、両親のいる家庭であろうと、子どもに充分な教育を受けさせたいと思うのは変わりありません。
しかし、勉強をするのは子どもです。そこで大きな溝が出来ていないか確認をしてみてください。子どもの教育費のために一生懸命働く母親、それが逆に子どもに負担をかけてしまうこともあります。
まずは勉強することがその後にどれだけ役に立つのか、そもそも勉強をするということはやらされることではなくて、子どもが自分から学びたいと思う気持ちを育てることが必要になります。
「お母さんたちは勉強してます(してました)か?」もちろん数学や英語のことではありません。「社会に出て働く」というこが、どれだけ自分が勉強したこととつながっているのか、ぜひ子どもたちに伝えてあげてください。もっと勉強しておけばよかったと思うのであれば、今からでも遅くはありません。思い切って子どもと一緒に勉強してみてはいかがでしょう。
前回のコラムでも書きましたが、学ぶ方法はいくらでもあります。私立の大学にいくだけが学ぶ手段ではありませんので、無理をして体を壊してしまったり、逆に子どもとの距離を広げてしまうことにないように、ぜひ子どもとたくさん将来のことを話してみてくださいね。

中島智美(なかじま ともみ)
公立保育園、幼稚園勤務を経て、現在は独立してファナンシャル・プランナーをしています。自分も二人の子どもがいますが、子どもにとってもなかなか大変な世の中になってきました。今まではいい大学に進学して、有名な会社に就職すれば、退職金をもらい、年金をもらって老後の生活も安心でした。
ところが自己責任という名のもと、私たちは今までのように国や会社に頼っていくことができなくなりつつあります。そんなときに役に立つのは、生きていくための知識です。
ここでは子育てコラムを担当しますので、各自治体の子育て情報をいろいろな視点から(FPとして、母親として、現場で働いていた経験も交えて)書いていきたいと思っています。どうぞ末永くよろしくお願いいたします。
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