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ノロウイルスに気をつけよう

2007.1.25
監修:救急救命東京研修所
教 授  名 倉  節
昨年11月頃より、ノロウイルスが原因とみられる感染性胃腸炎の流行が拡大しており、これまでの感染者数は過去最大規模とも言われています。ノロウイルスは感染力が非常に強く、感染を広げないための対策をしっかり行うことが大切です。今回はノロウイルス感染症の正しい知識と家庭で出来る予防法についてお話したいと思います。


ノロウイルスは何月頃から発生するのですか?

一般にウイルスは低温・低湿の環境を好み、繁殖します。日本での感染は11月頃から発生し始め、1月から2月にピークを迎えるという特徴があります。
ノロウイルスは主にカキなどの二枚貝に蓄積されますが、冬は生で食べる機会が増えるからではないかと考えられています。


どのように感染するのですか?

ノロウイルスの感染経路は『経口感染』で、3通りの感染様式があります。
  1. ノロウイルスに汚染された貝類を、生や加熱が不十分なままで食べた場合
  2. 食品取扱者(食品製造者・飲食店や家庭で調理する者)がノロウイルスに感染しており、その者の手指を介して汚染された食品を食べた場合
  3. 感染者の糞便・吐物の片付けから感染した場合や、感染者が使用した便器や洗面所などを利用した事によって感染してしまう場合


ノロウイルスに感染するとどのような症状が出ますか?

イメージノロウイルスに感染すると24~48時間後に、腹痛や嘔吐、下痢、38℃以下の発熱が見られます。症状には個人差がありますが、ほとんどは発症後、1~2日程で回復します。ただ、乳幼児や高齢者など抵抗力が弱いとされる人たちは、感染すると重症化する恐れがあるので注意が必要です。また、症状が治まっても便の中にウイルスが1週間程度は排泄され続け、感染力を維持しています。この間、他人へ感染する危険性があるため注意が必要です。


発症した場合、どんな治療法がありますか?

ノロウイルスに効く治療薬や予防ワクチンはなく、対症療法として、整腸剤・制吐剤などが処方されます。下痢止めはウイルスを体内に留めてしまうことになるので安易に使用はしません。脱水を防止するため水分を十分に摂りながら、安静に努めます。重症の場合は点滴による水分補給が必要となります。特に乳幼児は脱水に対し、抵抗力がないので注意が必要です。


ノロウイルスに感染しないために家庭で出来る予防方法はありますか?


ノロウイルスは、食品や手指を介して経口感染するため、手洗いを徹底しましょう

【正しい手の洗い方】
  1. 手洗い前に、爪は短く切っているか、腕時計や指輪をはずしているか、確認しましょう。
  2. 流水で手を十分に濡らし、石鹸を良く泡立てます。
  3. 手のひらを合わせてこすります。
  4. 手の甲を伸ばすようにこすります。
  5. 指先、爪を手のひらで引っかいて、爪の汚れを落とします。
  6. 指を組んで指の間をこすります。
  7. 手首を握ってこすります。
  8. 流水で20秒洗い、石鹸を落とします(洗う際、蛇口は洗う前の手で触れているので、一緒に洗いましょう)。
  9. 清潔なタオル、またはペーパータオルで拭きます。タオルの共有は控えましょう。

※食事、調理の前・調理の最中、またトイレの後や感染者の糞便・吐物の片付けの後は必ず上記のように手を洗うようにしましょう。手が荒れているとウイルスなどが付着しやすく、洗ってもウイルスが落ちないことが多いので、調理の時などは手袋をしたほうがいいでしょう。


食品を調理する場合の注意

ノロウイルスは熱に弱い特徴があるため、カキなど二枚貝を調理するときは鍋やフライパンに蓋をして内部の温度を上げ、中心部分まで十分加熱するようにしましょう。85℃で1分以上加熱すればノロウイルスは変性して感染力がなくなります。また、ノロウイルスはアルコール消毒では死滅しないため、使用した調理器具は洗剤で洗浄後、熱湯(85℃・1分以上)や塩素系の消毒剤で消毒しましょう。市販の石鹸でも、最近はある程度殺菌力を持った物があり、それらを利用してもいいでしょう。


感染者の糞便・吐物の片付けで注意すること

イメージノロウイルスは乾燥すると空気中に漂い、口に入って感染することがあります。東京・池袋のホテルで発生した集団感染も客の吐物の後処理が不十分だったためと指摘されています。感染者の吐物や便は乾かないうちに片付け、よく換気をしましょう。その際、使い捨て手袋(なければビニール袋を代用)をして汚物をきれいにふき取り、糞便・吐物のあった場所は塩素系消毒剤(家庭用漂白剤を200倍に薄めたもの)で消毒を行ってください。汚れた衣類やシーツはもみ洗いの後、85℃のお湯で1分以上洗濯しましょう。


おわりに

ノロウイルスは感染力が強く手を介して経口感染するため、正しい手洗いをこまめに行うことが予防の基本です。手洗いはノロウイルスだけでなく風邪やインフルエンザの感染予防にも有効です。是非手を洗う習慣を身につけましょう。


参考文献:厚生労働省    ノロウイルスに関するQ&A
日本公衆衛生協会 感染症予防必携第2版
東京都      東京都感染症マニュアル 

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睡眠時無呼吸症候群

監修:東京医科歯科大学 内科
林 栄 治
T-PEC保健医療情報センター 発行


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