コラム:育児

幼保一元化について

2006.7. 5

イメージ幼保一元化について議論が大きくなったのは2003年ごろでした。
文部科学省から発表されている資料を見ると、この幼保一元化についての議論はなんと古く戦前からあったそうです。

このところの少子化で定員割れのする幼稚園、逆に働く母親が増えて、待機児童がたくさんいる(約2万3000人・平成17年)保育園。「就学前の子どもを預かる」という点では両方の共通点があり、子どもが少ない地域でも、両方を一緒にすることで集団での活動がしやすくなるというメリットもあります。

そこでまずは幼稚園でもなく、保育園でもない施設を新しくつくるのではなく、「総合的な施設」として「認定こども園」法案として国会に提出され、モデル事業がはじまりました。

施設としては以下の4つに分かれます。

  1. 幼保連携型(幼稚園と保育所が連携し一体的な運営を行なっているもの)
  2. 幼稚園型(幼稚園が機能を拡充させているもの)
  3. 保育所型(保育所が機能を拡充させているもの)
  4. 地方裁量型(幼稚園・保育所のいずれの認可もないが、地域の教育・保育施設としての機能を果たすもの)

各自治体でどの型にするか決めることができます。

私が幼稚園に勤めていたときからはすでに10年以上たってしまいますが、ここ最近を見ていると、延長保育はかなりの幼稚園で行われています。

幼稚園を選ぶときの3種の神器として「バス、給食、延長保育」なんて聞いたことがありますが、幼稚園の保育時間が4時間という短時間ではパートなどに出ることが難しかったお母さんたちも延長保育で5時ごろまで預かってくれるとなれば充分可能になります。

景気の低迷が続き、世帯の収入が思うように上がらないのに、なぜか教育費だけは毎年2%ずつ上がっていく状況では家計の負担が重く、数万円のパート収入は大変貴重です。

延長保育のほかにも2歳からすでに幼稚園に通っているというところもあります。そのまま継続して3歳保育に入ります。幼稚園も少子化で少しでも早い時期から子どもを確保しなければならないということもあり、さまざまな工夫を凝らして子どもを集めているようです。現状がこのような状態ではすでに幼保一元化ははじまっているともいえますが、制度として整っていない中では子どもたちの安全面でとても心配です。

例えば2歳の子どもの保育は基本的には保育士の資格が必要です。資格としては近いので私も幼稚園教諭と、保育園保育士の資格を持っていますが、幼稚園と、保育園では環境がかなり違います。保育園では3歳前の子ども、長時間保育に備えた環境が整っています。それに対して幼稚園はどちらかというと学校に近く、たくさんの教材や、用具があるというイメージでしょうか。上手く説明ができませんが、1日のほとんどを保育園ですごす子どものためにどちらかというとゆったりと過ごせるようになっています。2歳であれば子ども6名に1人の保育士という基準もあり、複数の保育者で子どもたちを担当します。

しかし幼稚園となるとそこまでの環境が整えられるということはなかなか難しいように思います。なぜかというと、幼稚園と保育園では補助金の額がかなり違うからです。

幼稚園と保育園(所)の比較

幼稚園 保育園(所)
所管 文部科学省 厚生労働省
対象 満3歳から就学前の幼児 0歳から就学前の保育にかける乳幼児
保育時間 4時間を標準として各園で決定(独自に保育時間の延長あり) 原則8時間
国庫補助 幼稚園就園奨励補助金(2003年度513億円) 運営費(2003年度4727億円)
職員配置 1学級35人以下に対して1名 0歳時 3人に1人(保育士の数)
1~2歳時 6人に1人
3歳時 20人に1人
4~5歳時 30人に1人

イメージこの幼保一元化については補助金等の削減のために行われるという指摘もあります。
子どもはものが言えません。生きていくうえでの基本的な事柄を学ぶのは就学前の時期だと思っています。それが大人の都合で決められてしまうのでなく、現場の人の声や、これからの日本を支えてくれる子どもたちにとって良い制度となるように願わずにはいられません。

子どもの笑顔がいっぱい歩くにはココロの豊かな国が必要であると思います。
最後までいろいろな議論を重ねてより良い制度や施設にしてもらいたいですね。

今回は内容が難しくなってしまいました。

「子どもの習い事費用」についてです。

中島智美さん

中島智美(なかじま ともみ)

公立保育園、幼稚園勤務を経て、現在は独立してファナンシャル・プランナーをしています。自分も二人の子どもがいますが、子どもにとってもなかなか大変な世の中になってきました。今まではいい大学に進学して、有名な会社に就職すれば、退職金をもらい、年金をもらって老後の生活も安心でした。
ところが自己責任という名のもと、私たちは今までのように国や会社に頼っていくことができなくなりつつあります。そんなときに役に立つのは、生きていくための知識です。
ここでは子育てコラムを担当しますので、各自治体の子育て情報をいろいろな視点から(FPとして、母親として、現場で働いていた経験も交えて)書いていきたいと思っています。どうぞ末永くよろしくお願いいたします。

トラックバック

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL http://www.seikatsu-guide.com/mt/mt-tb.cgi/55

コメントを投稿

名前
メールアドレス
URL
この情報を登録しますか?
コメント
(スタイル用のHTMLタグが使えます)

月間アーカイブ