食と健康

食の生産現場に焦点を当てながら、食育に役立つ情報を提供します。

「私の目標は日本の食料自給率“120%” です。」

2007.4.20

こんなことを言うと、たいていの方が驚いた顔をします。
私も恥ずかしいのですが、恥ずかしい気持ちを抑えて、ここ数年同じことを繰り返し言い続けています。

現在、日本の食糧自給率はカロリーベースで約40%。
私たちの食生活の60%は海外からの輸入に頼っているのです。

ある日突然輸入ができなくなったら、と思うとゾッとする数字ですね。
さらに、穀類に限ると、なんと28%しか自給できていません。

食料自給率f


スーパーに行けば所狭しと食品が並んでいます。
お金さえ払えば、どんな珍しい食材も、海外の珍味も手に入れ食べることができます。けれども、現在の私たちの豊かな食卓は、決して保障されたものではないのです。今後どのようなことが起きるか想像もできません。

温暖化が進行し、環境もどんどん悪化しています。世界中で砂漠化が進んでいます。今年に入ってオーストラリアは100年ぶりという大干ばつで、農産物をほとんど収穫できない状態です。アメリカではとうもろこしの値段がうなぎのぼりに上昇しています。

温暖化対策のためのガソリンの代替品としてエタノールの製造工場が多数建設されていて、原料のとうもろこしが大量に必要になったからです。

世界中のとうもろこしの60%以上をアメリカが輸出していますが、いまやアメリカで生産されるとうもろこしの半分以上がエタノール製造にまわされています。その結果、輸出する分が足りなくなってきているわけです。

とうもろこしは主に家畜の飼料として輸入されていますから、とうもろこしが値上がりすると、家畜の飼料が値上がりします。すると牛肉や豚肉、牛乳などの価格が上昇して、乳製品やアイスクリームなど、関連商品の価格が上昇すると予想されます。

輸入に頼っている「とうもろこし」の今後


値段が上がっても手に入るうちはまだましですが、干ばつによる大不作や安全性の問題による輸入制限、輸出国側の輸出規制など、不測の事態によって輸入できなくなる可能性もあります。

また、現在のペースで地球の砂漠化や土壌の悪化、水不足がさらに進行すれば、数十年または数年以内に世界的な食糧危機が起きる可能性があります。

そうなったら、現在食料を大量に輸出している国々は、輸出より自国民の食事を優先するでしょう。


世界人口の推移と予測


ですから私たちは、できるだけ早急に、輸入に頼らなくても食べていける食料を生産できるようになる必要があります。・・・と、なんだか話が大きくなってしまいましたが、私たちの身近なところから変えていくこともできると思うのです。

たとえば、現在、全国的に問題になっている鳥獣被害を利用する方法があります。大分県を例にとりますと、山に住んでいる野生の日本鹿が里に下りてきて、みかん畑の新芽や木の皮を食べてしまうので、農家の人たちが大変困っています。そこで猟友会に依頼して、鹿を狩猟することになりました。年間なんと9000頭。それでもまだ鹿の数は増えているそうです。

撃ち殺した鹿は、これまで廃棄するしか処分方法がありませんでした。もったいないですね。ところが栄養面で見ると、鹿肉は高たんぱく&低カロリーの好ましい食品だということがわかります。ヨーロッパでは、鹿肉はジビエ料理としてさかんに使われます。日本でも、首都圏ではジビエ料理が流行していますし、大分県でも一部の旅館などでは鹿の刺身やハンバーグを食べることができます。

国内産の良質な栄養源を利用しない手はありません。野生ですから、とうもろこしなどの飼料を輸入する必要もありません。抗生物質の心配もありません。一過性のはやりものとしてではなく、日常の食生活の中に取り入れてはどうでしょうか。こんなところから、食料自給率をほんの少しでもいいから上昇に転じさせたいというのが、私のささやかな目標なんですよ。

(現在、じんわり村では、鹿肉の美味しい食べ方を研究中です)

イメージ


木本直實(きもと・なおみ)

木本直實(きもと・なおみ)

大手洋酒ビールメーカーに13年勤務。
その間、結婚→阪神大震災→出産→離婚を経験。
2000年、神戸から大分県内にある半農半漁の町に移住。
農家や食品の生産者との交流がはじまる。
2003年、「安全で美味しい食べ物」をテーマにブログを書き始める。
2005年、自然派食品ネットショップ『じんわり村』開設。
日々雑感を「じんわり起業きらくに日記」にて発信中。
趣味は読書(濫読)と株式投資。
原料と作りかたにこだわった安心で美味しい自然派食品
じんわり村:http://www.jinwari.jp/
じんわり起業きらくに日記:http://kirakuni.bakeinu.jp/

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