食と健康

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オリーブオイルの魅力

2007.12.20

イメージメタボリック症候群などが問題になるにつれて、健康志向の植物性食用油の人気が高まっています。新しい機能性油も発売されていますが、私は昔ながらのオリーブオイルが好きで、いつも使っています。なぜそんなに好きかというと、オリーブオイルは、工業製品ではなく“農産物”という感じがするからです。油と一緒に栽培された土地の気候風土が個性的なボトルに詰められて、他の油にはない独特の味わいと楽しみ方ができるような気がするのです。

そこで今回は、オリーブオイルの特徴について少し掘り下げてみることにしましょう。

ドレッシングやマリネはもちろんのこと、私は炒め物やその他いろんな料理にオリーブオイルを使います。揚げ物にオリーブオイルを使うと、たくさん食べても胃もたれしないのでついつい食べ過ぎてしまうのが玉にキズですが・・・。生地のしっかりしたパンにオリーブオイルをたっぷりつけて食べるのもおいしいですね。

オリーブオイルの本場イタリアには、数え切れないほどの搾油所があります。搾油所によってオリーブオイルの味や品質が決定付けられるので、どこの搾油所で絞った油かということは重要です。また、ワインのボジョレー・ヌーヴォーのように、今年収穫して絞ったばかりの新油は、ノヴェッロと呼ばれて珍重されます。ちなみに私のお気に入りは、プーリア地方のウンブリア地区で栽培、搾油されたエクストラバージン・ノヴェッロ※です。

イメージこのオリーブオイルの特徴は、その風味です。口に含んだ次の瞬間、唐辛子のようにピリリとします。ところが、もぐもぐ噛んで飲み込んだ後、15秒ぐらい経つとさっきの辛さがスーッと消えて、のどにさわやかな後味が残るのです。不思議なことに唐辛子は全く入っていません。これは一度味わうとクセになります。こんな風に、オリーブオイルにはそれぞれに持ち味があり、健康に良いだけでなく、日々の暮らしを豊かにしてくれる楽しい食材だと思います。

またオリーブオイルには、他の植物油とは大きく異なる点がふたつあります。そのひとつは商品化までのプロセスです。菜種油やごま油は、原料が種子で表皮が固いので、長距離の運搬が可能ですが、オリーブは果実であり、柔らかくてすぐに痛んでしまうので、収穫したその日のうちに絞るのが理想です。そのため、搾油所はたいてい畑のすぐ近くにあります。

そしてもうひとつの大きな違いは、製造方法そのものです。他の油は、絞った後、化学処理や加熱処理をして製品化されるので、出来上がった製品は画一的で個性はあまり感じられません。ところがオリーブオイルは、製造工程で熱を加えたり化学処理をしたりすることが一切ありません(まるでジュースですね)ので、原料のオリーブの個性や搾油方法による特徴が油の味に反映されるのです。

また、製造工程で加熱処理をしないため、オリーブが持ついろいろな微量成分や豊富な抗酸化成分が壊されることなく、そのままの状態でオイル内に残るため、健康に良いとされる栄養成分が豊かで、尚且つ酸化(品質劣化)しにくいのです。

最近では、国産のオリーブオイルも増えてきました。オリーブが日本国内で栽培されるようになったのは、明治41年に農商務省が三重・香川・鹿児島の3県で栽培試験を開始してからです。「国内で食用油を生産できるようになる必要がある」という国策だったと言われています。そして当時栽培に成功したのは香川県だけだったので、以来、香川県がオリーブの特産地となったのです。

※ エクストラバージン・ノヴェッロ エクストラバージンは、一番絞りの中でも特に高品質なものをいいます。
(バージンオイルは一番絞り) ノヴェッロは、その年収穫されたオリーブを絞った新油のこと。

オリーブ園ホームページより引用 http://www.1st-olive.com/olive_info4.htm
オリーブオイル中の微量成分
炭化水素 スクワレン、カロティン(特にβ-カロティン)、環状炭化水素
ステロール類 β-シトステロール、カンペステロール、スティグマステロール、ブラシカステロールなど
トコフェロール類 (ビタミンE類) α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール
フェノール類 カフェー酸、プロトカテク酸、バニリン酸、クマル酸、フェルラ酸、オリューロペイン(オリーブの苦味成分)
色素 クロロフィール(葉緑素)、カロティノイド
芳香成分 芳香族炭化水素、テルペン類、アルコール類、アルデヒド、ケトン、エーテル、フラン誘導体、チオフェン誘導体、エステルなど70種以上

オリーブの写真
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/olive.html
群馬大学社会情報学部の青木繁伸先生の「植物園」より借用




木本直實(きもと・なおみ)

【村長プロフィール】 木本直實(きもと・なおみ)

1964年 神戸生まれ。関西大学卒業後、サントリー株式会社で13年間勤務。
2000年 大分県内に移住し、極限環境微生物を使った環境コンサルタントに転身。
2004年 農業生産者たちとのネットワークを活かし、ネットショップ『じんわり村』設立。
2006年 SBIホールディングス(株)『生活ガイド.com』にて「食と健康」コラム連載開始。 こだわり食材専門の業務用販売を開始。湯布院の一流旅館や料亭と取引開始。
2007年 無農薬・有機野菜の栽培開始。(契約農家に栽培方法を指導)農業資材販売開始。(財)大分県産業創造機構刊『創造おおいた』にて「じんわり村から」コラム連載中。

【じんわり村】 http://jinwari.jp/

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