“子育て世帯に優しい街” 自治体の子育て関連助成制度チェックポイント
更新日:2008年11月25日
【子育てに手厚い街の探し方】
1年間に生まれてくる子どもの数は、年々減り続け、出生率が1971年の2.16から、2005年にはなんと約6割減の1.26となってしまいました。2006年、2007年と団塊ジュニアの出産期を迎えたため1.34と回復しましたが、このままでは、少子高齢化が進む一方です。
男女共同参画社会に関する世論調査(平成9年9月)をみてみると、「出生数減少の理由」として挙げられているのが、
- 「子どもの教育にお金がかかるから」(58.2%)
- 「経済的に余裕がないから」(50.1%)
- 「仕事をしながら子育てをするのが困難だから」(44.7%)
などの指摘がなされています。
こういった指摘を受け、国が行っている対策として「就園奨励費補助金」がありますが、これは、どの自治体でも基本的に差はありません。
それ以外に、各自治体でも経済的負担を軽くしようと、子育てに関する助成制度を実施していますが、これらには、各自治体で差があります。
「子育て」というキーワードで住む街を検討する場合、チェックすべき助成制度は
- 乳幼児医療費助成(前回のコラムを参照下さい。)
- 私立幼稚園入園料補助金
- 私立幼稚園保育料補助金(保護者補助金)
- 公立幼稚園の入園料・保育料減免
となります。
お子様がいらっしゃる家庭、またはこれからお子様が生まれる家庭は、非常に重要となります。
確認する点は以下の3点です。
- 補助の金額
- 所得制限の有無(所得制限ある場合のほとんどは、市民税の所得割額によって補助金が変わってきます。)
- 補助金額の算出方法(小学生の兄・姉がいる、同一世帯で複数の園児がいる、などの条件によって補助限度額が変わってくる場合が多いです。)
「東京都江戸川区」の場合、私立幼稚園保育料補助金が、所得制限なく園児1人に対して月額26,000円を限度に補助されます。区内の私立幼稚園の保育料が、約30,000円ですので、月額4,000円程度で私立幼稚園に通わせることができます。江戸川区では、区立幼稚園の月額保育料は3,000円となっているため、私立幼稚園に通わせる場合も、ほぼ同等の金額で通わせることができるようにしているそうです。さらに、私立入園料補助金として、入園時に80,000円限度に補助されます。
では、江戸川をはさんだ隣の街、「千葉県市川市」ではどうでしょう。私立幼稚園保育料補助金は、年額32,000円です。月額になおすと、約2,667円です。江戸川区に比べ、おおよそ10分の1の補助額です。また、私立入園料補助金もありません。
これを踏まえ、1人の園児を3年保育で通わせた場合の補助金を計算してみると、
この差を、皆さんどうお考えになりますか…。もし、お子さんが2人、3人だったら…。
このように、各自治体で受けられる助成制度には、金額や条件など差がありますので、事前にチェックが必要でしょう。
【出産に関わる助成制度】
上記チェック項目以外に、確認しておいた方がよいのが、「出産祝い」です。この制度自体を実施している自治体は、それほど多くなく約30%の市区でしか実施されていません。しかし、中には見逃すことができない助成内容もあります。
東京都港区では出産費用助成として、出産費用(分娩費及び入院費等)から、健康保険から支給される出産育児一時金等を差し引いた全額が助成されます。兵庫県南あわじ市では、第1・2子の出産30,000円、第3子以降100,000円を支給、また、滋賀県近江八幡市では、すくすく育児支援金として3人目以降の出産に100,000円が支給されます。
| 東京都港区 | 出産費用の助成として500,000円を限度として一時金の金額を差し引いた金額を助成。 |
| 埼玉県秩父市 | 出産報奨金として1人につき50,000円を支給。 |
| 千葉県鴨川市 | 第3子以降、200,000円を支給。 |
| 兵庫県南あわじ市 | 第1・2子の出産30,000円、第3子以降100,000円を支給。 |
| 大阪府池田市 | 第3子20,000円、第4子200,000円、第5子以降300,000円の祝金を支給。 |
| 京都府南丹市 | 3年以上居住の場合、第1子50,000円、第2子100,000円、第3子300,000円を支給。 |
| 滋賀県近江八幡市 | すくすく育児支援金として3人目以降の出産に100,000円を支給。 |
(データ出典:生活ガイド.com)
では、このように手厚い子育ての助成制度があるからといって、出生率が高い自治体かというと、必ずしもそうではありません。たとえば、関東出生率(人口1,000人当たり)ランキングを見ていただくと、1位埼玉県戸田市となっています。では、埼玉県戸田市の私立幼稚園保育料補助金を調べてみると、園児の年齢により補助額に差がありますが、年額20,000円~40,000円です。決して良いとはいえません。
なぜかというと、これから出生率を高め、子どもを増やしていこうと考えている自治体の場合、現時点では決して出生率が高いわけではないからです。こうした手厚い助成制度を設けることで住民、そして子どもが増え、ひいてはそれが税収増につながり、安定した行政サービスを行うことができるようになります。そういった意味では、自治体が無理な運営をしていないか、行財政のチェックも大事になってきます。
「住まいを購入する」ということは、「その街の将来を購入する」とも言えるでしょう。
【出生率ランキング】
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