まずは一枚の写真からご紹介。

「皇居、桜田門より日比谷交差点を望む」です。
何気なく撮ったかに見えるこの写真、実は現在東京で起こりつつある、
某重大案件をフォトフレームに切り取った、非常に貴重なショットなのです。
ご興味ある方は、以下、拙文をご一読ください。
まず、御三家の話です。御三家といっても、徳川家でもアイドルでもない、
ホテルの話。帝国ホテル、ホテルオークラ、ホテルニューオータニ。
言わずと知れた、日本ブランドの5つ星最高級ホテルであり、東京だけで
なく、日本を代表する超高級ホテルになります。
この御三家、伝統、格式、サービスで他の追随を許さず、外国要人の
宿泊や著名人の祝宴等を熾烈に奪い合い、折にふれ日本の現代史の
舞台となってきたのはご存知の通り。近年は、その歴史ゆえ、改修も
進み、外観こそかつての風格は薄れつつあるものの、一歩中に入ると
感じられるその荘厳で厳粛な雰囲気は、人をして畏怖させずにはおか
ない、東京の中の異空間とでもいうべき存在です(くどいですね)。
とは言うものの、栄枯盛衰は世の倣い。これら、御三家達も1990年代に
進出してきた外国資本のホテルに人気を奪われ、そのの威光は薄れて
きているというのが近年の状況です。
何ででしょうね。スクラップアンドビルドが日常の東京では、古いものより
新しいもの、小さいものより大きいものが人気を集めるんでしょうか。
バブル経済を経て生じた、古い権威の否定なのでしょうか。20世紀末には、
新御三家と言われた、恵比寿のウエスティン、新宿のパークハイアット、
目白のフォーシーズンズ椿山荘にその地位を奪われます。最初この話を
聞いた時は耳を疑ったものです。あれだけアピールしてきたホテルの格って
何なのよ?と。
その後、失われた○年(好きな数字入れてください)を経て、東京が
再開発ラッシュに沸いているのは、ここで何回も書いてきた通り。
そしてここ数年はオフィスビルだけでなく、ホテルに関しても大変な事
が起こりつつあり、その流れの中で、新御三家の時代も急速に終焉を
迎えつつあります。「嗚呼、新御三家。あなた達の時代は短かった」
何が起こっているかというと、これでもかというほどの、外国資本の高級
ホテルの東京進出です。同程度の力量なら後から来るほうが有利ですね。
盛者必衰は世の倣いです。
ちなみに、この2,3年に開業したホテルだけでも・・・
コンラッド東京(2005年 汐留)
マンダリンオリエンタル東京(2005年 日本橋)
リッツカールトン東京(2007年 六本木)
なんと豪華なメンバーでしょう。ジャイアンツの打線みたいです。
そして、いよいよ5つ星の4番バッター、ザ・ペニンシュラ東京が、9月に
日比谷に登場します。
とここで、やっと冒頭の写真に戻ります。僕は、この時、完成しつつある
ザ・ペニンシュラ東京を撮るつもりだったんです。そして、ファインダーを
覗き込んだ瞬間に(携帯電話カメラですけど)、その右端に違和感が。。
なんと、そこには御三家さんの筆頭がいらっしゃるではないですか。
ホテル御三家の筆頭はどこ?ってそれはもちろん、インペリアルの名を
冠する、帝国ホテルを措いて他にありません。Wikiにも「なかでも帝国
ホテルは別格であり、国の文化を代表するナショナルホテルとしての
威厳を保ちつづけている」って書いてあるし。
元々、ペニンシュラが日比谷の交差点角にできてきたのは知ってたん
ですが、周りに何があるかなんてあまり気にしてませんでした。ところが
よくよく見てみると。なんと!御三家筆頭と4番バッターが間に数百mと
置かず対峙していたんですねー。
他の写真も併せて、印付けてみました。右は日比谷公園内からみた構図。
黄色がペニンシュラ、青が帝国ホテルです。

かつては、隆盛を極める大日本帝国の象徴として、その栄華を欲しいままに
し、特権階級の社交場として庶民の羨望の的だった帝国ホテル。その後の
戦争を経て、海外から強く新しいものが大量に流出してくるに至って、もはや
その伝統と格式だけが過去の栄光として輝いていると思われていた帝国ホテル。
(この辺は想像です。)
そして、それをあざ笑うかのように、外国資本の新御三家が台頭。しかし、その
新御三家すら、開発ラッシュと外国資本の進出に沸く東京では凋落の道をたどる。
ついには、皇居を望む日本の一等地に、香港資本の超高級ホテル、ザ・ペニンシュラ
が進出。かつて、GHQが置かれた、第一生命ビルのすぐ横と言うのが象徴的です。
ここを押えてしまえば、日本のすべてのホテルを組み伏せ、最高峰に立ったという
宣言をしたも同然とペニンシュラは考えているのでしょう。
(この辺も想像です)
ああ、日本のホテル界や如何に!
そこに現れたのが(というか元々あったんですが)すでに過去の遺物扱いを
されていた帝国ホテル(失礼!)。ペニンシュラがひたすら皇居を睥睨し日本
侵略後の絵図を夢想している隙に、敢然と立ち上がったではありませんか!
(というか元々あったんですが)。さて、近年の外国攻勢に押され、すっかり
意気消沈気味の日本の既存ホテル陣も、今やかつての日本代表である帝国
ホテルにその命運を託すしかありません。かつて自らを追い落とした者たちの
ため、帝国ホテルは闘う決意を固めたのです。最近では、朝早く起きて、生卵を
飲み、ロードワークに出かける姿が目撃されています。
なんて映画かドラマみたいじゃないですか?(最後は違う話混じってますが・・・)
奇しくも、両ホテルの間に建つのは、東京宝塚劇場でございます。。
帝国ホテルによる日本のプライドをかけた孤独な戦い。この大役、他のホテル
には、とてもとても務まりません。さてさて、顛末は如何に。
追記1:東京駅の再開発地区に、シャングリアできるそうですね。
マンダリン、ペニンシュラと来たら黙ってられませんよね。
追記2:ホテル戦争が勃発している横で、かの三信ビルがその歴史に
幕を閉じようとしています。解体作業に入っていますが、
悲しくて写真撮れませんでした。まだ、建物が残っているうち
に是非一度足を運んでください。
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